株式会社田代コンサルティング

危機に強い「ぽっちゃり企業」とは

2020/7/18(土)

日経ビジネス最新号(2020年7月20日・27日号)の特集記事は、「危機に強い ぽっちゃり企業」だった。ぽっちゃり派の私は、まずそのユニークなネーミングに共感を覚えたが、前職の海運会社勤務時代から薄々感じていたことが指摘されていて、興味深かった。

効率経営に死角あり 「筋肉質礼賛」を疑え
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00513/

思うに、筋肉質の道に進んだ企業も大きく2つのパターンがあって、戦略的に熟慮の上でその時点でベストと思われる道を選択した企業と不況を乗り切るために贅肉を落とすことを余儀なくされて結果的にそうなった企業に分かれるだろう。

前者のような、いわば余裕のある企業なら必要に応じて方向転換をすればよいのかもしれないが、後者のような企業の場合、無い袖は振れないわけで、もう「ぽっちゃり」に戻ろうにも戻ることは難しいのではないか。ゆとりがなくなって、危機に遭遇したときにはもう何もできなくなって、生き残れなくなる恐れがある。

そうならないためには、不況期を脱した後の時期の過ごし方が重要になる。

「好景気のときにこそ(健全な)危機感をもって不景気にそなえよう」と前職時代に上司とよく話をしたものだ。人事制度などの改革も経営環境が良いときにこそ今後に備えるべく断行すべだと。コロナ共生期に入り、常日頃から「悲観的に準備して楽観的に行動する」危機管理のセオリーに沿った行動が求められていくのではないだろうか。

 

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